Qi2とは、Wireless Power Consortium(WPC)が策定するQi規格の新しい世代です。従来のQiに磁気による位置合わせを取り入れ、スマートフォンと充電器のコイルを合わせやすくした点が大きな特徴です。ただし、「磁石で付く製品」がすべてQi2認証製品とは限らず、対応出力も一律ではありません。
Qi2とは何か
Qi2は、ワイヤレス充電の国際規格Qiを管理するWPCが2023年に展開した規格です。初期のQi2は最大15Wに対応し、2025年には最大25Wの「Qi2 25W」が加わりました。現在は、製品ごとにQi2の世代と最大出力を確認する必要があります。
Qi2の中心となる仕組みが、MPP(Magnetic Power Profile)です。端末と充電器を磁石で所定の位置へ導き、送電側と受電側のコイルを合わせやすくします。位置ずれを抑えることで、充電の開始に失敗したり、ずれた状態で効率が落ちたりする可能性を減らします。
WPCは、Qi2を従来より高速・高効率で使いやすいQiの新世代と説明しています。初期のQi2とQi2 25Wの上限は異なるため、「Qi2対応」という語だけで25Wに対応すると判断しないでください(WPC Knowledge Base)。
Qi・Qi2・MagSafeの違い
3つの違いは、規格を管理する主体、磁気位置合わせ、認証、最大出力の確認方法にあります。
| 比較項目 | Qi | Qi2 | MagSafe |
|---|---|---|---|
| 管理主体 | WPC | WPC | Apple |
| 主な位置合わせ | 製品によっては磁石なし | MPPでは磁気位置合わせ | 磁石で位置合わせ |
| 認証の確認 | WPC認証データベース | WPC認証データベース | Appleまたはメーカーの対応情報 |
| 出力 | 製品と端末によって異なる | 初期Qi2は最大15W、Qi2 25Wは最大25W | iPhone、充電器、電源条件によって異なる |
| 対象 | 複数メーカーの対応機器 | 複数メーカーの対応機器 | Appleの対応iPhoneとアクセサリ体系 |
QiとQi2は位置合わせと世代が違う
従来のQiでは、スマートフォンをパッドの適切な位置へ置く必要があります。Qi2のMPP対応製品では磁石が位置合わせを助けるため、毎回コイル位置を探す手間を減らせます。
一方、従来Qiでも最大出力は製品ごとに異なります。Qi2も15Wと25Wの区分があるため、「Qiより必ず何倍速い」と一律に表現することはできません。端末、充電器、電源アダプタのうち、最も低い対応条件が実際の上限になります。
Qi2とMagSafeは基盤が近くても同じ名称ではない
Qi2のMPPは、AppleがWPCへ提供したMagSafeの技術を基盤にしています。ただし、Qi2はWPCの規格・認証であり、MagSafeはAppleの製品・アクセサリ体系です。
磁気で付くという外観だけでは、Qi2認証、MagSafe対応、実際の充電出力を区別できません。AppleのiPhone 15仕様では、MagSafeとQi2が最大15W、従来Qiが最大7.5Wと別々に記載されています。これはiPhone 15の公式条件であり、ほかの機種へそのまま当てはめる値ではありません(Apple「iPhone 15 - 技術仕様」)。
対応製品は4項目に分けて確認する
対応確認は、スマートフォン、ケース、ワイヤレス充電器、電源アダプタを別々に行います。どれか一つに「対応」と書かれていても、組み合わせ全体の出力が保証されるわけではありません。
1. スマートフォンの公式仕様を見る
メーカー公式の仕様ページで「Qi2」「Qi2 25W」「MagSafe」「Qi」を探します。対応規格と最大出力が別々に書かれている場合は、利用したい方式の数値を確認してください。
OS更新で対応が追加される場合もあるため、端末名だけでなくOS条件も確認します。対応機種一覧を掲載する販売ページだけで判断せず、端末メーカーの仕様やサポート情報と照合すると確実です。
2. ケースの磁気リングと対応条件を見る
厚いケースや金属部品を含むケースは、磁気吸着や充電に影響する場合があります。ケースを付けたまま使うなら、ケース側のQi2またはMagSafe対応表示と対象機種を確認してください。
「磁気リング付き」は、Qi2認証と同義ではありません。Qi2 Readyと表示された端末やアクセサリでは、指定された組み合わせが必要な場合があるため、パッケージやメーカーの条件まで読みます。
3. 充電器の規格名・出力・型番を見る
商品名に「磁気式」「MagSafe対応」とあるだけでは、Qi2認証の有無は分かりません。仕様欄でQi2またはQi2 25W、ワイヤレス出力、型番を確認します。
WPCは、認証製品にWPC IDを付与し、認証製品データベースへ掲載しています。ブランド名、製品名、型番を検索し、パッケージとデータベースの情報が一致するか確認してください。「Qi compatible」などの表現は、認証済みを意味しない場合があります(WPC認証製品の確認方法)。
4. 電源アダプタの入力条件を見る
ワイヤレス充電器が15Wまたは25W対応でも、接続するUSB-C電源アダプタの出力が不足すると上限まで使えません。製品説明書に記載された必要入力、USB PDなどの給電方式、ケーブル条件を確認します。
確認するW数は、アダプタの合計出力ではなく、充電器を接続するポートで利用できる出力です。複数ポートを同時に使うと出力配分が変わる製品もあります。
購入前に見るべき表示
次の順序で見ると、「磁石で付くが期待した速度が出ない」という行き違いを減らせます。
- 端末メーカーの仕様でQi2の対応世代と最大出力を確認する。
- ケースを使う場合は、対象機種と磁気充電の条件を確認する。
- 充電器の型番、Qi2区分、ワイヤレス最大出力を確認する。
- WPC認証データベースで製品名と型番を照合する。
- 必要なUSB-C電源アダプタとケーブル条件を確認する。
RORRYの現行製品では、RORRY M8 Qi2 10000mAh 折りたたみ式モバイルバッテリーが商品ページ上でQi2・ワイヤレス最大15Wと案内されています。Qi2製品を比較するときも、容量10000mAhやUSB-C 20Wという別項目をワイヤレス15Wと混同せず、使用端末とケースの条件を併せて確認してください。
特定のiPhoneでMagSafe充電器を買い替えるか迷う場合は、規格の一般論とは別に、手持ちのMagSafe充電器の型番と対応を確認する方法も参照できます。
Qi2対応でも最大速度にならない主な理由
Qi2対応の端末と充電器を組み合わせても、常に表示上限で充電されるとは限りません。バッテリー残量、端末温度、OSの制御、ケース、電源アダプタ、同時充電の有無によって出力は変化します。
また、端末側が15Wまでであれば、25W対応充電器につないでも端末の上限を超えて充電されません。反対に、端末が25W対応でも充電器が15Wなら、組み合わせの上限は15Wです。W数は最大条件であり、充電中ずっと同じ電力が続くことを示す値ではありません。
まとめ
Qi2とは、磁気位置合わせを取り入れたWPCの新世代ワイヤレス充電規格です。従来Qiとは位置合わせと規格世代が異なり、MagSafeとは技術的なつながりがあっても、管理主体と認証の確認先が異なります。
購入前は「磁石で付く」という説明だけで選ばず、端末、ケース、充電器、電源アダプタの4項目を確認してください。最後に型番をWPC認証データベースと照合すれば、Qi2の区分と対応製品をより確実に判断できます。


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